ラクオリア創薬2018年通期決算の前回からの差分

本記事の内容は、女心を読み取るのが下手な私のただの妄想です。そのため、本記事の内容を投資判断に利用しないでください。また、投資勧誘を目的としたものではありません。

ラクオリア創薬が2019年2月8日に「平成30年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」の発表をしました。

同時に発表された新中期経営計画の話は、以下に記載しています。

[ガイアのラクオリア創薬、新中期経営計画を発表 ‐ 2019年2月8日]

決算の数字については、2018年12月27日にラクオリアから発表された「通期業績予想の修正に関するお知らせ」「中期経営計画の修正に関するお知らせ」から大きくズレていないので、特に考察はしません。

ただ、2019年12月期は、ついに「創業以来初の営業損益の黒字化」になる予想です。

黒字化の実現性が高まるにつれて、安定大株主が増えることを期待しています。

ラクオリアは、毎回決算短信にパイプラインの進捗状況を「研究開発活動」の項目に載せています。

そこで、その項目について前回の「平成30年12月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」から差分があった箇所をまとめます。

※ 「てにをは」や「年月日」、「社名」などの表現方法の差分については記載しません。

<自社の研究開発及び共同研究>

(A)探索段階

[前回]

炎症性疼痛を主たる適応症としたナトリウムチャネル遮断薬のプロジェクトは、リード化合物を見出し、特性評価を継続して実施しております。

[今回]

炎症性疼痛及び神経障害性疼痛を主たる適応症としたナトリウムチャネル遮断薬のプロジェクトは、リード化合物を見出し、特性評価を継続して実施しております。

「神経障害性疼痛」という言葉が追加されています。

適応症が増えたのかな?と思いましたが、以前もう1つのプロジェクト(おそらくマルホに導出した化合物)がこの項目にあったときも「神経障害性疼痛」と書かれていました。

そのため、そのときの文章をコピペでもして、言葉が残ってしまったのか、それとも、新規に適応症が増えたのか不明です。

(B)前臨床開発段階

前回は、

【グレリン受容体作動薬 ⇒ TRPM8遮断薬】

の順に説明が記載されていましたが、今回は、

【TRPM8遮断薬 ⇒ グレリン受容体作動薬】

の順になっています。

これは意図したものなのかどうか。

もしも意図したものであるならば、ラクオリアは会社のイオンチャネル創薬技術の高さを強調しているため、イオンチャネル薬である「TRPM8遮断薬」を「イオンチャネル薬だぞ!」と強調するために先にTRPM8遮断薬の説明をもってきた可能性があります。

ポジティブな妄想をするのならば、TRPM8遮断薬の導出交渉が順調に進んでいる可能性があります。

(C)臨床開発段階

こちらも先ほどと同じように、前回は、

【5-HT4部分作動薬 ⇒ カリウムイオン競合型アシッドブロッカー】

の順に説明が記載されていましたが、今回は、

【カリウムイオン競合型アシッドブロッカー⇒ 5-HT4部分作動薬】

の順に変更されています。

さすがに、先ほどのと合わせてこちらも順序が入れ替わっていることを考えると、意図して順序を入れ替えている可能性が高いと考えます。

こちらの「カリウムイオン競合型アシッドブロッカー」については、今年韓国で発売予定であり、また、先月ベトナムの企業とサブライセンス契約をしたりとイケイケドンドン状態なので、順序を入れ替え、前に説明を持ってきていると考えられます。

a) カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(RQ-00000004、tegoprazan)

[前回]

胃食道逆流症(RE/NERD)を目標適応症として開発中の本化合物は、米国に引き続き、日本で第Ⅰ相臨床試験を終了しております。

現在、開発が進んでいる韓国の臨床試験データも活用し導出に向けた協議を進めております。

[今回]

胃食道逆流症(GERD)を目標適応症として開発中の本化合物は、米国並びに日本で第Ⅰ相臨床試験を終了しております。

韓国の臨床試験データも活用して、導出活動を進めております。

「RE/NERD」から「GERD」に変更されています。

「胃食道逆流症=GERD」であり、GERDの中に「RE」と「NERD」が含まれるため、ひとまとめにした表現にしたようです。

他の文章の変更点は内容に大きな差はありません。

早く、日欧米に導出してくれることを期待しています。

<導出先の開発状況>

a) カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(RQ-00000004、tegoprazan)

[前回]

胃食道逆流症(RE/NERD)を主目標適応症としてCJ社(韓国)で開発中の本化合物は、年7月に韓国食品医薬品安全処(MFDS:Ministry of Food and Drug Safety)より製造販売承認を取得し、当社はマイルストン達成に伴う一時金を受領いたしました。

今回のM F D Sによる承認は、びらん性胃食道逆流症( E r o s i v eEsophagitis:EE)に加え、非びらん性胃食道逆流症( Non-Erosive Reflux Disease:NERD)の胃食道逆流症(Gastro-Esophageal Reflux Disease:GERD)を適応症としたもので、NERDの適応症取得はカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(Potassium-Competitive Acid Blocker : P-CAB)としては世界初のものとなります。

また、中国での開発も順調に進められております

[今回]

CJ社(韓国)で開発中の本化合物は、胃食道逆流症(GERD)を適応症として平成30年7月に韓国において製造販売承認を取得しました。

さらに適応追加のための臨床試験が進められております。

また、CJ社(韓国)の中国のライセンス先であるLuoxin社(中国)により、平成30年10月に中国における第Ⅲ相臨床試験を開始しました

加えて、CJ社(韓国)は平成30年12月にVimedimex Medi-Pharma JSC(ベトナム)との間でサブライセンス契約を締結しました。

文章が色々変更されています。

前回は、NERDの適応症取得に関して強調していましたが、今回はその文言が削除されています。

決算短信の最初の方の「当期の経営成績」の中にも、P-CABとしてNERDの適応取得世界初と記載されているので、もう認知済みとして、省略したと考えられます。

その代わり、「さらに適応追加のための臨床試験が進められております」とtegoprazanの価値向上の取り組みが追加されています。

また、中国での臨床試験フェーズ3の開始、ベトナムの契約についての記載が追加されています。

c) EP4拮抗薬(GALLIPRANT®)

[前回]

ペットの疼痛治療薬として導出先であるAratana Therapeutics, Inc.(米国、以下「アラタナ社(米国)」)にて開発を行った本化合物は、アラタナ社(米国)およElanco Animal Health(米国)により年1月に米国で販売を開始しました

また、年1月には欧州医薬品庁(EMA:European Medicines Agency)の販売承認を取得し、販売開始に向けて準備が進められております。

[今回]

ペットの疼痛治療薬としてアラタナ社(米国)にて開発を行った本化合物は、アラタナ社(米国)エランコ社(米国)により平成29年1月に米国で販売を開始し、順調に売上を伸ばしております

また、平成30年1月には欧州においても製造販売承認を取得し、平成31年前半の販売開始を見込んでおります。

Galliprantの米国の売上について、「順調に売上を伸ばしております」という文章が追加されています。

2019年2月6日に発表されたエランコの「2018年第4四半期&通期決算発表」には、

market demand for Galliprant continues to grow, exceeding supply capacity and resulting in Galliprant backorders at the end of the year.

Elanco is working diligently to expand production and expects to clear remaining backorders by late first quarter or early second quarter 2019.

と記載されており、Galliprantの需要が供給を上回っている状態です。

そのような状況もあり、売上が順調と記載したと考えられます。

また、Galliprantの欧州販売については、平成31年(2019年)前半を見込むと書かれています。

こちらの予定時期についても先ほどのエランコの決算発表には、

A planned shipment in late 2018 was delayed until early 2019 to appropriately complete the quality release process.

と書かれており、これがどこの国を対象とした出荷のことなのか不明ですが、タイミング的におそらく欧州のことだろうと考えられ、「early 2019」と書かれているので、これに合わせてラクオリアも「平成31年前半」と書いたと考えられます。

米国で売上が絶好調なGalliprantが欧州でも販売されたら、ラクオリアに入るロイヤルティもそれなりに増加すると考えられるため、欧州発売が楽しみです。


[2019年3月14日追記]

Aratanaが2019年3月12日に、2018年第4四半期&通期の決算発表をしました。

Aratanaの2018年の年次報告書(10-K)を読んだところ、上記の「early 2019」については、既に販売していたGalliprantが品質保証の関係で2018年末の分の出荷を2019年初頭に延期したという話でした。

そのため、欧州発売とは別の話でした。


d) グレリン受容体作動薬(ENTYCE®)

[前回]

ペットの食欲不振治療薬としてアラタナ社(米国)にて開発を行った本化合物は、アラタナ社(米国)により年10月に販売を開始しました

またアラタナ社(米国)では、本剤についてネコを対象とした食欲不振治療薬としても開発を進めており、平成2812月にネコにおける長期毒性試験を開始しております。

[今回]

ペットの食欲不振治療薬としてアラタナ社(米国)にて開発を行った本化合物は、アラタナ社(米国)により平成29年10月に販売を開始し、徐々に認知度を高めております

またアラタナ社(米国)では、本剤についてネコを対象とした食欲不振治療薬としても開発を進めており、平成30月にネコにおける長期毒性試験を終了し、ピボタル試験を実施しております。

Entyceの売上は、Galliprantほどではないため、「徐々に認知度を高めております」という気休め程度の表現になっています。

気になるのは、売上に繋がるかどうかは、認知度の問題なのかということです。

もしも認知度の問題であるのならば、マーケティングをがんばれば売上を伸ばせるということなので、今後の売上の伸びに期待したいです。

ネコを対象とした開発については、長期毒性試験が終了し、ピボタル試験を実施中という情報が追加されました。

e) EP4拮抗薬(RQ-00000007、AAT-007、grapiprant)

[前回]

株式会社AskAt(以下「AskAt社」)のライセンス先であるRMX BioPharma Co., Ltd(本社:杭州、CEO:RuiPing Dong)が、年9月に中国での疼痛を適応症とする臨床試験を開始いたしました。

また、AskAt社の米国のライセンス先であるArrys Therapeutics Inc.(米国マサチューセッツ州)において、臨床試験実施のための準備が進められております

[今回]

株式会社AskAt(以下「AskAt社」)の中国のライセンス先であるRMX BioPharma Co., Ltd(中国)が、平成30年9月に中国での疼痛を適応症とする臨床試験を開始しました。

また、AskAt社の米国のライセンス先であるKyn Therapeutics Inc.(米国)において、平成30年10月にがん免疫治療薬としての臨床試験を開始しました

社名が「Arrys」から「Kyn」に変更されています。

AskAtはArrysとEP4拮抗薬の契約をしたのですが、開発はArrysの関連会社のKynが行っているので、今回の記述でKynに変更したと思われます。

ちなみに、今ネットで検索したら、ArrysはKynの完全子会社と書かれていました。

また、がん免疫治療薬としての臨床試験が2018年10月に開始されたという情報が追加されました。

EP4拮抗薬(RQ-00000008、 AAT-008)

[前回]

AskAt社のライセンス先で開発のための準備が進められております。

[今回]

表記無し

「RQ-00000008」について、前回は項目があったのですが、今回は削除されています。

削除された理由は不明です。

しばらく動きがなさそうだと思ったのでしょうか?

これはAskAtに導出している化合物であり、AskAtは突然、お蔵入りしていたと思っていた化合物の契約発表などをしてくることがあるため、今後、RQ-00000008の項目が再復活することを期待しております。

g) 特定のイオンチャネルを標的とした開発候補化合物(化合物コード非開示)

[前回]

表記無し

[今回]

本化合物は、平成24年10月から開始したEAファーマ社との共同研究により創出され、平成30年3月に一定のマイルストンを達成しました。

現在、EAファーマ社が本化合物を有効成分とする消化器領域の治療薬としての開発を進めております。

EAファーマと契約しているイオンチャネル薬の項目が新規に追加されました。

今後の開発の進展に期待です。

以上が「研究開発活動」の項目における前回の決算短信からの差分です。

tegoprazanの導出先のCJヘルスケアがtegoprazanの開発、ライセンス活動、マーケティングをがんばっているため、今後の進展に非常に期待できます。

動物薬のGalliprantも売上絶好調のため、継続的なロイヤルティ収入を見込めます。

イオンチャネル薬も順調に開発が進んでいるため、次の開発段階への移行を期待しています。

同時に発表された新中期経営計画の話は以下です。

⇒ ガイアのラクオリア創薬、新中期経営計画を発表 ‐ 2019年2月8日

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