ラクオリア、武田薬品による新規化合物の薬効評価完了、そして、世界初の画期的新薬へ

本記事の内容は、女心を読み取るのが下手な私のただの妄想、予測です。そのため、本記事の内容を投資判断に利用しないでください。また、投資勧誘を目的としたものではありません。

 

ラクオリア創薬が2018年7月9日に、「武田薬品工業株式会社による当社新規化合物に関する薬効評価完了のお知らせ」を発表しました。

 

当社と武田薬品工業株式会社(代表取締役社長:クリストフ・ウェバー、本社:大阪市中央区、以下「武田薬品」)は、当社の特定の新規化合物(以下「本化合物」)に関して、消化器疾患領域の特定の適応症に対する有効性評価を許諾する契約を締結しておりましたが、この度、武田薬品における薬効評価が完了し、当社へ全ての実験データが返還されることになりましたのでお知らせいたします。

 

また、お知らせには以下のことが記載されていました。

武田薬品による本化合物の薬効評価は順調に完了しましたが、本日、Takeda Pharmaceuticals International, Inc.より、「武田薬品では本化合物の更なる開発を行わないことを決定した」との通知を受けました。

本決定を受け、これまで武田薬品で行われていた本化合物に関する全ての試験データが当社へ返還される予定です。

 

この武田薬品との薬効評価の契約が、いつか武田薬品へのサプライズ導出契約に繋がるのではと私は期待していて、以前、本ブログで何の化合物の薬効評価をしているのか予想した記事を書いたこともあります。

ラクオリアが武田薬品と何の化合物を契約したのか予想してみた

 

しかし、結果は「武田薬品では本化合物の更なる開発を行わないことを決定した」です。

今回のお知らせのタイトルが「武田薬品工業株式会社による当社新規化合物に関する薬効評価完了のお知らせ」であったため、このタイトルを見たときは、

「tegoprazanの韓国承認取得に引き続き、超絶特大好材料キター!」

と思い、ワクワクしながらお知らせの中身を見たら、

「武田薬品に導出しないんかいなー!うんこー!!」

と一気に落胆しました。

 

落胆しつつ、改めてお知らせの内容をゆっくり全部読んでみると以下のことが書かれていることを知りました。

当社代表取締役社長である谷直樹は「本決定は今般の武田薬品の事業戦略の転換によるものと考えられますが、当社は、これまでの良好な試験結果を受け、本化合物が世界初の画期的新薬となる可能性を確信しております。当社は今後、これまでの試験データを基に、本化合物の更なる開発可能性を検討するとともに、確固たる事業戦略を有する企業を対象に積極的な導出活動を展開して参ります。」とコメントしております。

 

> 本決定は今般の武田薬品の事業戦略の転換によるものと考えられますが

武田薬品は、シャイアー(Shire)の買収の件があったため、この可能性はあり得ました。

実際に、シャイアー買収の話が出たときにネット上では、「武田薬品のパイプラインの整理が行われ、ラクオリアの武田薬品への導出契約は来ないのでは」といった書き込みも見られ、結果その通りになってしまいました。

ただし、「~と考えられますが」と書かれているように、本当に事業戦略の転換によるものなのかどうかは不明です。

 

 

> これまでの良好な試験結果を受け

薬効評価の結果は良かったようで、次に繋がりそうです。

 

 

> 本化合物が世界初の画期的新薬となる可能性を確信

ふぇっ?

世界初??

画期的新薬???

確信!?

本化合物が「世界初の画期的新薬」という情報は初登場だと思います。

そもそもいったい何の化合物なのかすら全く情報がない状態でした。

 

以前、私が本化合物が何であるかをブログで予想したときは、以下のように予想しました。

非公表の新規化合物 > 5-HT2B拮抗薬 > その他の公知の消化器疾患領域の化合物 > 5-HT4部分作動薬 > イオンチャネル関係 > tegoprazan

 

5-HT2B拮抗薬は、ZTE Coming Biotechとの合弁会社で中国で開発していく予定のため(これも今後どうなるか不明確ですが)、本化合物が5-HT2B拮抗薬の可能性がほぼなくなりました。

そして、今回「世界初の画期的新薬」と書かれていることからも、本化合物が「非公表の新規化合物」である可能性が大きくなりました。

さすがに、公表済みの化合物で「世界初の画期的新薬」と述べていたら「ヽ(・ω・)/ズコー」となります。

ラクオリアのパイプラインの中に、イオンチャネル関係の化合物でまだ導出されていないものがあるので、その化合物の可能性もありますが、本化合物が消化器疾患領域のため、何とも言えないです。

世の中にあるイオンチャネルの論文などを見ていると色々な適応症に活かせそうなので、消化器疾患領域の適応症に活かせるイオンチャネル関係の化合物ならなくもないといった感じです。

 

それにしても、ここ何年かは大袈裟なことを述べることを控える傾向があるラクオリア(谷社長)が「世界初の画期的新薬となる可能性を確信」と「確信」とまで言うので、よっぽど自信がある化合物の可能性があります(今回に限って、株価を意識した誇張発言にした可能性もありますが)。

「世界初の画期的新薬」というのをどのレベルで言っているのか中身を見るまで全くわかりませんが(このように誇張する他社バイオ企業が多いので)、蓋を開けたら、世界が驚愕するとんでもない新薬だったら嬉しいです。

 

 

> 確固たる事業戦略を有する企業を対象に積極的な導出活動

すごい文章です。

逆に言えば、「現在の武田薬品は確固たる事業戦略を有してない」と言っているように捉えることができます。

武田薬品に導出契約をちらつかせられていたのでしょうか。

その上で突然導出契約の話がなくなったので、うんこー!となってこのような文章を書いたのでしょうか。

 

また気になる点は、「~を有する企業を対象に」と書いていますが、既に対象となる企業の候補があるのかどうか。それとも、まだ候補はないけれど、そういう企業をこれから探しますということなのか。

 

 

さらに、非常に気になるのが、先週の金曜日にラクオリアが「tegoprazan(テゴプラザン)」の韓国承認取得のIRをリリースして、次の営業日の月曜日に今回のお知らせを発表。

武田薬品はtegoprazanの競合品となるタケキャブを有しています。

お知らせには、武田薬品が更なる開発をしないことを「本日~通知を受けました」と書かれていたことから、タイミング的に武田薬品がtegoprazanを意識した可能性があります。

また、「~薬効評価は順調に完了しましたが、本日~通知を受けました」という文章を私なりに解釈すると「薬効評価は既に以前から完了済みで、後は更なる開発への契約をするかどうかの武田薬品からの返事待ち状態だったけど、本日お断り通知来ちゃった」と捉えることができます。

実は以前からお断りの話はあったけど、株価を意識して発表を待っていたという可能性もありますが、そんな裏話は公表されることはないので真相はわかりません。

はたまた、tegoprazanの韓国承認取得が来て一件落着したので、放置されていた本化合物の件をラクオリアが武田薬品に問い合わせたら、お断りしますと言われた可能性もあります。

もしもその場合は、武田薬品がお断りの回答を放置していたという話になりますが。

さらには、武田薬品は契約するのにまだしばらく検討が必要だけど、ラクオリアが早く開発を進めたかったから武田薬品からの回答に期限を設け、その期限までにGOサインが出なかったのでお断りというパターンも考えられます。

以上のように、この発表タイミングについて色々な可能性は考えられますが、もしも武田薬品がtegoprazanを強く意識して、今回の発表に至ったのであったら非常に面白いです。

 

 

あと、以前からこの件で気になっていることがあります。

本化合物の特許はどうなっているのか。

もしも、全く新しい化合物、作用機序だった場合、新規に特許申請をしている可能性があります。

武田薬品との契約発表から2年以上経っているため、その2年前に特許出願していた場合は、もう特許の内容が公開されているはずです。

しかし、ラクオリアからそれらしい新規特許が公開されていません。

秘匿にするため、あえて特許申請しない戦略もありますが、ラクオリアのIRに以前、特許戦略について聞いたときは、秘匿にせずに特許申請すると述べていました。

そのうち、特許の内容が公開されるのか、それとも、既に特許公開済みのものなのか、はたまた、薬効評価などいくつか評価をしてから特許申請するのか、気になります。

 

 

今回の発表のネガティブ材料・ポジティブ材料を以下にまとめます。

[ネガティブ材料]

・武田薬品というメガファーマへの導出実績を作る絶好のチャンスが“とりあえず”失われた

・武田薬品ではなく他社へ導出活動展開することにより、導出契約金による業績の上方修正チャンスの時期が武田薬品へ導出する場合と比較し後ろに伸びた可能性がある

 

[ポジティブ材料]

・世界初の画期的新薬となる可能性がある化合物をラクオリアが有していることが判明

・世界初の画期的新薬となる可能性がある化合物の薬効評価が良好な結果で完了

・ラクオリアは、全てのP-CABを対象とする特定の関連特許を保有しているため、もしも武田薬品がタケキャブでその権利の内容を使おうとした場合、ラクオリアは気兼ねなく武田薬品に特許料を請求することができる

・タケキャブのシェアを奪うことになっても、武田薬品に気兼ねなくtegoprazanを売り込める

 

 

今回のラクオリアのお知らせの文章は、非常に強気な内容だったため良かったです。

この強気な文章がなかったら、「うんこな化合物だったんや〜、うんこ!」として終わっている所でした。

近い将来、本化合物の正体発表と導出契約が来ることを期待しています。

コメント

  1. すー より:

    久しぶりにエッグさんのブログを見にきました。
    ぼちぼちラクオリアの実績を伴う株価上昇をみたいですね。
    株価3,000円の頃には下がっても2500円近辺で推移するかなと思っていましたが、
    思いっきり下がりましたね。
    最近5年ぶりぐらいにツィッターをして、ラクオリアを叱咤激励しています。
    期間限定で株価3,000円~4,000円くらいになったら止めますが。
    何か導出してもらいたいものです。

    • >> すーさん
      お久しぶりです。
      底は固くなってきている感じはしますね。
      ラクオリア創薬の公式Webページもリニューアルされたので、ここから開花してスタートして行って欲しいです。
      そうですね、今年中に最低1つ何かは導出して欲しいです!

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