ラクオリア創薬2018年1Q決算の前回からの差分

本記事の内容は、女心を読み取るのが下手な私のただの妄想です。そのため、本記事の内容を投資判断に利用しないでください。また、投資勧誘を目的としたものではありません。

 

ラクオリア創薬が2018年5月11日に「平成30年12月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」の発表をしました。

 

決算の数字については、通期予想の修正がなかったため、現状、当初の計画通りだと思われます。

ただ最近、中国のZTEが米国の制裁で騒がしいため、今後その影響が2018年1月に発表されたZTE Biotechとラクオリアの合弁会社に対して出た場合は、決算の通期予想にも影響が出る可能性があります。

しかし、2018年5月11日時点では、この合弁会社について特に悪い情報は出ていないため、今の所は問題はないです。

 

知的財産部長であった嶋田氏が執行役員に就任することも今回の決算と同時に発表されました。

これについて、Twitter上では、「何か成果をあげたからか?」、「仕事をする上で都合が良いからか?」というような考察・妄想が投稿されています。

しかし、さすがに「就任しました」という情報だけでは、何か予想するにしても根拠が乏しいため、この発表について考察しません。

 

 

ラクオリアは、毎回決算短信にパイプラインの進捗状況を「研究開発活動」の項目に載せています。

そこで、その項目について前回の「平成29年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」から差分があった箇所をまとめます。

※ 「てにをは」や「年月日」の表現方法の差分については載せません。

 

(1) 自社の研究開発及び共同研究

(探索段階)

[前回]

炎症性疼痛及び神経障害性疼痛を主たる適応症としたナトリウムチャネル遮断薬のプロジェクトでは、特性の異なる二つのプロジェクトを進めております。そのうち一つのプロジェクトでは、開発候補化合物の探索毒性試験が完了し、問題となる所見が認められないことを確認したことにより、平成29年12月にマルホ社とライセンス契約を締結することとなりました。今後は、マルホ社が本化合物を有効成分とする治療薬の開発を進めてまいります。もう一つのプロジェクトにおいては、複数のリード化合物を見出し、特性評価を開始しております。

[今回]

炎症性疼痛を主たる適応症としたナトリウムチャネル遮断薬のプロジェクトは、複数のリード化合物を見出し、特性評価を開始しております。

製薬企業等との共同研究については、本年3月に旭化成ファーマ社との共同研究においてマイルストン達成に伴う一時金を受領し、ライセンス契約を締結することとなりました。今後は、旭化成ファーマ社が本化合物を有効成分とする治療薬の開発を進めてまいります。

 

前回は2つのプロジェクトの話がありましたが、1つのプロジェクトは「マルホ」に導出したため、今回は1つのプロジェクトのみの記載となっています。

気になるポイントは、前回あった「神経障害性疼痛」という言葉が消え、「炎症性疼痛」のみになっていること。

つまり、このことから、マルホに導出した化合物は適応症が非公表になっているのですが、「神経障害性疼痛」を適応症にしているのではと推測できます。

 

また、今年3月に発表した旭化成ファーマとの導出ライセンス契約について説明が追加されています。

そのため、この項目に載っている製薬企業等との共同研究の一覧リストは、旭化成ファーマが削除され、インタープロテインとXuanZhu Pharmaの2社になりました。

イオンチャネル関係では、マルホ、旭化成ファーマと続いてライセンス契約の進展があったため、今後、インタープロテインとXuanZhu Pharmaの進展にも期待します。

 

 

(臨床開発段階)

(a) 5-HT4部分作動薬(RQ-00000010)

[前回]

下記追加部分の表記無し。

[今回]

今後、ZTE Biotech社(中国)との合弁会社で中国を中心に開発が進められる予定です。

 

5-HT4部分作動薬(RQ-00000010)は、ZTE Biotechとの合弁会社で開発する予定であるため、その説明が追加されました。

 

 

(c) 5-HT2B拮抗薬(RQ-00310941)

[前回]

下痢型過敏性腸症候群(IBS-D)を目標適応症として開発中の本化合物は、本化合物を初めてヒトに投与する第Ⅰ相臨床試験(健康成人及び患者を対象)を平成27年7月に英国で開始し、被験者への投与は終了しました。現在データの解析作業を実施中であります

[今回]

下痢型過敏性腸症候群(IBS-D)を目標適応症として開発中の本化合物は、英国における第Ⅰ相臨床試験(健康成人及び患者を対象)が終了し、治験総括報告書の作成が完了しました今後、ZTE Biotech社(中国)との合弁会社で中国を中心に開発が進められる予定です。

 

5-HT2B拮抗薬(RQ-00310941)は、2018年2月に英国でのフェーズ1の治験終了の発表があったため、それに応じて記述が変更されています。

また、ZTE Biotechとの合弁会社での開発について説明が追加されています。

 

 

(2) 導出先の開発状況

(a) カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(RQ-00000004、tegoprazan)

[前回]

胃食道逆流症(RE/NERD)を主目標適応症としてCJ社(韓国)で開発中の本化合物は、平成29年8月にMFDSへの承認申請がCJ社(韓国)によって行われました。今後新薬許可の手続きを経て、薬価収載後、平成30年12月に発売される予定です。中国での開発も順調に進められている他、平成29年12月に当社とCJ社(韓国)との間で権利地域をメキシコ、ブラジルなどの中南米、ロシアを含む東欧圏諸国、及びアラブ、イスラエルなどの中東地域(ROW: Rest Of World)に拡大する契約を締結いたしました

[今回]

胃食道逆流症(RE/NERD)を主目標適応症としてCJ社(韓国)で開発中の本化合物は、年8月に韓国食品医薬品安全処(MFDS:Ministry of Food and Drug Safety)への承認申請がCJ社(韓国)によって行われました。今後新薬許可の手続きを経て、薬価収載後、年12月の発売予定となっておりますまた、中国での開発も順調に進められております

 

文章の表現は変わっていますが、内容は変わっておりません。

2017年12月にCJヘルスケアと契約したtegoprazanの権利地域の説明は今回省略されています。

 

 

(b) セロトニン5-HT2AおよびドパミンD2受容体遮断薬(ziprasidone)

[前回]

本剤は、米国ファイザー社によって75ヶ国で販売されており、米国の治療ガイドラインには第一選択薬として収載されています。

[今回]

本剤は、米国ファイザー社によって75ヶ国で販売されており、米国精神医学会の治療ガイドラインには統合失調症治療薬の第一選択薬のひとつとして収載されています。

 

表記が丁寧になっています。

 

 

(c) EP4拮抗薬(Galliprant®、 RQ-00000007、 AT-001、grapiprant、動物薬)

[前回]

欧州では欧州医薬品庁(EMA:European Medicines Agency)に販売承認申請中で、平成30年の承認取得を見込んでおります。

[今回]

また、本年1月には欧州医薬品庁(EMA:European Medicines Agency)の販売承認を取得し、販売開始に向けて準備が進められております。

 

2018年1月に欧州の販売承認を取得したので、それに応じて説明が変更されています。

 

 

(e) EP4拮抗薬(RQ-00000007、 AAT-007、grapiprant)

[前回]

株式会社AskAt(以下「AskAt社」)のライセンス先で現在、臨床試験実施のための準備が進められております。

[今回]

株式会社AskAt(以下「AskAt社」)のライセンス先で臨床試験実施のための準備が進められております。

 

表記の微修正です。

 

 

(f) EP4拮抗薬(RQ-00000008、 AAT-008)

[前回]

表記無し

[今回]

AskAt社のライセンス先で開発のための準備が進められております。

 

RQ-00000008は、前回表記がありませんでしたが、今回新たに追加されています。

本化合物は、AskAtの方でライセンス契約が発表され、開発の動きがあるので、追加されたと考えられます。

 

 

(g) シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害薬(RQ-00317076、AAT-076)

[前回]

AskAt社のライセンス先で現在、臨床試験実施のための準備が進められております。

[今回]

AskAt社のライセンス先で臨床試験実施のための準備が進められております。

 

表記の微修正です。

 

 

(h) 選択的ナトリウムチャネル遮断薬(化合物コード非開示)

[前回]

本化合物は、平成29年12月にマルホに導出いたしました。今後は、マルホ社にて開発が進められます。

[今回]

本化合物は、年12月にマルホ株式会社(以下「マルホ社」)に導出いたしました。今後は、マルホ社が本化合物を有効成分とする治療薬の開発を進めてまいります。

 

表記が丁寧になっています。

 

 

(i) P2X7受容体拮抗薬(RQ-00466479、AKP-23494954)

[前回]

表記無し

[今回]

本化合物は、旭化成ファーマ社との共同研究により創出され、本年3月に前臨床段階への移行に伴い導出いたしました。今後は、旭化成ファーマ社が本化合物を有効成分とする神経障害性疼痛治療薬として開発を進めてまいります。

 

2018年3月に旭化成ファーマと導出契約したP2X7受容体拮抗薬が追加されました。

 

 

以上が「研究開発活動」の項目における前回からの差分です。

今回の決算発表を見る限り、事業は順調に進捗しています。

一時3000円以上あった株価が今は約半分になってしまっていますが、事業は順調に進捗しているということで、半額バーゲンセールの大サービス中だと思って、株価が上がるのを気長に待ちます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました