ジプラシドンの日本治験でプラセボと有意差なし、ラクオリア創薬の行方は

本記事の内容は、女心を読み取るのが下手な私のただの妄想、予測です。そのため、本記事の内容を投資判断に利用しないでください。また、投資勧誘を目的としたものではありません。

また、医療関係者でもないため、医療関係の発言は、全て素人の個人の見解です。

 

日本におけるジプラシドンの治験結果

2019年9月6日に「ラクオリア創薬」と「Meiji Seika ファルマ」から日本におけるジプラシドンの第Ⅲ相臨床試験(治験)の速報結果が発表されました。

[ラクオリア創薬:Meiji Seika ファルマ株式会社によって実施された日本の統合失調症患者を対象としたziprasidoneの第Ⅲ相臨床試験の速報結果について]

[Meiji Seika ファルマ:統合失調症治療薬ME2112臨床第Ⅲ相試験結果のお知らせ]

 

結果は、主要評価項目としたPANSS(Positive and Negative Symptoms Scale)の総スコアの変化において、ジプラシドン投与群はプラセボ群と比較して統計学的な有意差を示しませんでした。

つまり、日本でのジプラシドンの治験は失敗という結果になりました。

 

なぜ治験失敗したのか?

今回の治験結果は、ラクオリアの業績に関係してくるため、ラクオリア株主は、株価や会社の業績について注目するでしょうが、私はそれよりも以下が今後の日本のために非常に重要だと考えています。

なぜ世界各国で販売され、米国では第一選択薬として選ばれ、多くの処方実績があるジプラシドンが日本の治験で失敗したのか?

この理由を解明することで、日本における精神病診断、治療の方法が変わる可能性がある。

 

治験失敗の原因がわかれば、精神病患者へ適切な治療ができるようになるかもしれません。

また、2019年現在の日本では、統合失調症を含む特定の精神病患者におていは、障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)が交付されますが、それへの影響も出てくるかもしれません。

今回の治験結果のラクオリア発表資料には、以下のように書かれていました。

本試験のプラセボ群では主要評価項目のPANSSスコアのベースラインからの変化量に大きな変動(大きなプラセボ効果)が見られました。

 

まだ詳細な治験結果が出ていないため、実験結果の偏りなどによって、今回の評価方法では、プラセボ効果が出やすいようになってしまっていた可能性等があるので、適当に断定はできませんが、この文章だけを読むと、プラセボ効果が大きかったと読め、そのため、治験が失敗したと推測できます。

つまり、今回の治験で統合失調症と診断された患者に、統合失調症治療薬ですよと言って、効果が出るはずがない薬を飲ませても効果が出てしまったというわけです。

その理由は詳細な解析結果が出るまでわかりませんが、すぐに思いつく理由の可能性の一例としては、以下があります。

● 統合失調症ではないのに、統合失調症と診断されていた

● 統合失調症の場合は、思い込みが激しくて、それが体へ影響を及ぼした

● 日本人の統合失調症患者の中には、遺伝等で薬以外で症状緩和ができる症状の人がある程度の割合でいる

 

障害者手帳を持っていると、税金控除を始め色々な優遇を受けられますが、もしも本当は統合失調症ではないのに、統合失調症と診断された人にも障害者手帳が交付されていた場合は、その分、税金が国に納められなくなります。

2019年現在の日本は、社会保障費が膨れ上がり財政を圧迫し、消費税を上げて行っている状態です。

障害者手帳が不必要に交付されなくなれば、また、薬の処方数も減少すれば、その分、社会保障費も減り、消費税を上げずに済む対策の1要素になるでしょう。

そのため、今回の治験結果を詳細に解析して、世に周知することは、ラクオリア株主でもない、統合失調症患者でもない日本国民にも影響してくる重要な話なのです。

 

以前から、Twitter上で日本の精神病診断の問題を指摘している人がいました。

そのため、私もその内容を見て、昨年以下のようなツイートをして、ジプラシドンの治験失敗リスクを相当考慮していました(1文目の日本人ディスりは無視して、2文目から見てくださいw)。

 

また、今回の治験結果発表後にTwitter上の医療関係者アカウントが「日本の精神病診断はルーズ」というようなことを書いていました。

さらに、事件を起こした人が精神病だったため、無罪になったといったニュースをちらほら見るので、そんなに精神病の人が多いのか、本当に正確に診断したのだろうかと前々から疑問に思っていました。

はたまた、昔出会った人が、嘘ついて精神病診断もらって障害者手帳交付されたいとも言っていたので、そんな裏技存在するのだろうかと疑問に思っていました。

それもあり、リアルで出会った人にラクオリア株の投資話をするときは、日本の精神病診断方法の現状を語り、ジプラシドンの治験リスクを伝えて、以下のようなことを言っていました。

以前、バーで出会った社長さんにラクオリア株の話をしたのですが、「ジプラシドンの結果が出るまで絶対買わないでください。ジプラシドンが成功して、なお株価が~円以下だったら買ってください。」と伝えていて良かったです。

 

今回の治験結果後に、精神病の診断方法が気になり、ネットで検索してみた所、診断を問診で済ませていることがあるそうです。

脳の働きを装置で見たり、血液検査等の客観的データで診断するのだと思っていました(将来的にはそれが主流になるかもしれませんが)。

勝手なイメージですが、問診だけでは、誤診もそれなりに出てくるのでは?と疑問に思ってしまいます。

もしも誤診が多い現状があるのならば、今回の治験結果を基に、誤診を減らせる仕組みが出てくることを期待したいです。

 

また、上記に書いたプラセボ効果が出た理由の可能性の2つ目の思い込みの方の影響も気になります。

統合失調症の症状の中には、思い込みが激しくなるというのがあります。

そうなると、薬を飲まされただけでも治ると思い込んでしまいそうですが、もしも、今回の治験はジプラシドンの治験という情報を患者が推測できる状況になっていたならば、患者がネットで「ジプラシドン」と検索して、「世界各国で販売されており、米国で第一選択薬」という情報を見たら、偽薬の方でも、体に影響を及ぼすレベルで信じ込んでしまいそうです。

統合失調症診断されていない私でさえ、ジプラシドンを飲んだら思い込みで気分が良くなりそうな気がしますw

 

さらに、3つ目の理由で、日本人の統合失調症の中には「プラセボ効果」で治る症状がある程度の割合で存在するならば、その症状を見分ける手法を生み出し(例えば、最初は偽薬を飲ませて症状を見るなど。嘘ついて薬を飲ますことは別の問題があるので、別の方法が良いですが。)、その患者には薬以外の症状緩和対策を取った方が良いと考えます。

ちなみに、下記のWebサイト情報によると、ジプラシドンは、韓国、中国、台湾などのアジアの国でも販売されているため、もし遺伝・体質が原因だった場合は、アジアの国の中でも日本人が特有な遺伝・体質となります。

[Drugs.com (Ziprasidone)]

 

今回の治験結果になったのは、上記で示した理由かどうかはわかりませんが、もしも上記の理由であれば、治験を実施したMeiji Seika ファルマは素人でも思いつくリスクを排除できずに治験を実施したということになり、試験計画のミスと言えるでしょう。

 

そもそも思ったのですが、治験費用が増加するデメリットはありますが、プラセボ以外に別の日本承認薬とも比較できなかったのか気になります(比較した所で承認申請では不要なデータかもしれませんが。また、日本承認薬よりジプラシドンの方が効果が低い結果になるリスクもありますが。)。

もしも、ジプラシドン、日本承認薬、プラセボの3つの間で有意差なしだった場合、薬以前に何かがおかしい…ということになります。

ただし、もしそうなったら、日本承認薬もあれ?ということになるので、どうなるのか…

 

統合失調症病患者のためにも、日本のためにも、患者の選別方法、実験データの取り方なども含んだ詳細な治験結果の報告書をまとめて欲しいと思います。

承認申請のための治験としては失敗だったかもしれませんが、今後の医療業界、日本にとっては、非常に重要なデータになる可能性があります。

 

今回の治験結果で思ったこと

以下の知見が得られました。

当初の計画に対して、なかなか治験結果が公表されない治験はアウトな可能性が非常に高い。

 

今回は、ジプラシドンの競合薬となる大日本住友製薬のルラシドンの日本承認申請時期と被っていたため、戦略としてあえてジプラシドンの治験結果は公表せず、承認申請と同時に公表するのかとポジティブに考えてしまいました。

上記の方で説明したように失敗リスクは考えていたため、失敗はそれなりにあり得ると思っていましたが、ポジティブシンキング補正があったため、治験結果発表を見て、「あぁ…案の定、想定していたリスクが来たかぁ~」という考えと「承認申請と同時に成功発表するんじゃねーのかよ!」という考えが同時に発生し、何とも言えない気持ちになりました。

ただ、たとえ、失敗の可能性が高いとわかっていても、他の好材料、特にテゴプラザン(tegoprazan)の米国導出が来る可能性も考えて、売れなかったと思います。

 

以下、私の過去のツイート。

信用しない方が正解だったようです。

 

そうです。リスクを取って投資ているのです。

 

ジプラシドン治験失敗の結果によって、私の過去のツイートが名言に聞こえる…

名言に聞こえない未来が来て欲しかったですが…

 

とりあえず、治験結果公表が遅いのはヤバいという知見が得られただけでも勉強になったと思うようにします。

 

「ガイア」こと「ラクオリア」の今後の行方

ラクオリアの今後の行方は…

ラクオリア創薬 2019~2021年12月期 中期経営計画 ガイア

(引用:2019~2021年12月期 新中期経営計画(Gaia 2021)(2019年9月6日版))

 

ガイア!ガイアッ!!ガイアッーーー!!!

です。

 

地母神、ガイアを信じるしかないです。

まさか地母神が、地に沈むことはないでしょう。

いや、まてよ、もしや、だから地母神ガイア?

という冗談はさて置き、信じるしかありません。

もはや、宗教です。

信じる者は救われる…いや、信じる者は救われたい!(願望)です。

(「信用しない方が正解だった」とさっき書いたそばからこれですw)

 

ちなみに、「投資して稼ぐ」という観点では、客観的データ・分析なく企業を信じ出したら負けです。

企業を信じるのではなく、様々な客観的データを信じる必要があります。

一応、私はテゴプラザンの動向を信じているので、2019年9月7日時点でラクオリアに投資しています。

もしも、テゴプラザンの世界展開、将来の収益への望みが低いということを高い精度で予想するデータがあったのならば、そのデータを入手した時点でラクオリア株を手放していた可能性が高いです。

 

今回のジプラシドンの結果は仕方ないと思うのですが、会社側が「2019年度は黒字を確信している。必達。」と言っておきながら、2019年度の下方修正赤字計画を発表してきたのは、非常に残念です。

[通期業績予想の修正に関するお知らせ(2019年9月6日)]

 

さすがに、あそこまで谷社長も河田取締役専務執行役員も黒字化について述べていたので、ジプラシドンの失敗やその他失敗リスクを考慮したバックアッププランを持っている上での発言でしょう。

しかも、昨年は、「ラクオリア イノベーションズ」という子会社を設立しています。

今期のラクオリア イノベーションズの業績がどうなるか不明ですが、もしも今期、本体も赤字でイノベーションズも赤字という結果になったのならば、経営の失敗であり、経営者責任だと私は考えます。

素人でもここまでの失態はしないと考えられるため、ましてや上場企業の経営者がバックアッププランを持っていないとは到底考えられません。

もし持っていなかったのならば、新入社員と一緒にサラリーマン1年目からやり直すべきです。

ということで、到底考えられないことが起きない限り、今回の下方修正はあくまで形だけだと思います(思いたいです)。

 

ジプラシドンの今後については、今回修正した中期経営計画に以下のように書かれています。

今後のMeiji Seika ファルマ株式会社の開発戦略の見直しを受けて、ziprasidoneの収益見通しを再度織り込む可能性があります。

引用:[中期経営計画の修正に関するお知らせ(2019年9月6日)]

 

また、Meiji Seika ファルマの治験結果のお知らせには以下のように書かれています。

今後、本試験で得られた結果を詳細に解析・評価し、引き続きME2112の開発計画および開発戦略について検討する予定です。Meijiは、ME2112を含め中枢神経系領域製品ポートフォリオの、より一層の拡充に向けた検討を継続してまいります。

引用:[統合失調症治療薬ME2112臨床第Ⅲ相試験結果のお知らせ]

 

治験コストを考慮した販売後の回収率を考えたときに、ジプラシドンの再治験を実施するのだろうかとも思いますが、多くの国で販売され、多くの処方がされており、今回の治験で新たな有害事象が認められなかった薬を日本だけで治験成功できず、販売できないというのは、色々な所で歪みが発生しそうな気もするので、意地でも再度治験をして、治験成功させる可能性もあります。

再度治験することになっても、それが業績に反映されるまでに、それなりに時間が掛かるため、株主視点からすれば、とりあえずは放置する案件です。

 

今回修正された中期経営計画では、ジプラシドンのマイルストンやロイヤリティがなくなったにもかかわらず、2020年度と2021年度の事業収益が前より増加しています。

テゴプラザンとガリプラント(Galliprant)の売上が好調のため、それが影響していると推測できますが、他にも何か入っているかどうかは不明です。

 

現在、というか、前々から一番注目しているのは何といってもテゴプラザンの世界展開です。

ネット上の情報やベトナム、メキシコ中南米の大手会社との契約実績を見ると、CJヘルスケア & 韓国コルマは非常にがんばっているように見えますので、とても期待ができます。

韓国ニュースを見ていると、米国やロシア辺りに動きがあるように見えるため、時期は不明ですが、順調に行けば、導出は高い確率で来ると予想します。

(実は、次にラクオリアに関するブログを書くときは、テゴプラザンの導出、または、黒字化99%確定材料発表のときの予定だったのですが、どうしてこうなった)

また、欧州やブラジル、ベトナム以外の東南アジア諸国などへの導出も期待しています。

日本への導出は、日本製薬会社のお偉いさんの気持ちとラクオリアの説得力次第でしょう。

 

地母神「ガイア」のような創造力で

「グローバル」規模の進化を!

ガイアッーーー!!!

コメント

  1. mi より:

    ツイッターいつも拝見しております。
    今季中にジプ成功、テゴ日米導出までマストだと思っていたので悲しいですね。

    テゴの日米欧を期待して900円くらいまで来たら購入しようと考えてますが、エッグさんは買い増しを検討されてますか?

    患者の思い込みの有無に関わらず、ジプ飲んどぎゃどうせ良くなるならいいじゃないかと個人的に思いますけどね笑

    • >> miさん
      下品なツイートばかりのツイッターを見て頂きありがとうございます。

      買い増しするにも資産がそんなになく、これ以上リスクをかけられないので、よほどのことがない限り買い増しはしません。
      リスクをおって追加した退職金は上で捕まったまま、退職金が目減りしていって…(´;ω;`)

      > ジプ飲んどぎゃどうせ良くなるならいいじゃないかと個人的に思いますけどね笑

      これは私も思いましたw
      実際に、どのくらいプラセボでも効果が出たのかまだ詳細な結果が公表されていないのでわかりませんが、もしもプラセボが多くの患者で効果が出ていた結果だった場合は、もはや薬以前の問題では…と思ってしまいます。

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