本記事の内容は、女心を読み取るのが下手な私のただの妄想です。そのため、本記事の内容を投資判断に利用しないでください。また、投資勧誘を目的としたものではありません。
ラクオリア創薬が2017年11月10日に「平成29年12月期第3四半期決算」の発表をしました。
決算の数字については、通期予想の修正がなかったため、現状、当初の計画通りだと思われます。
ラクオリアは、毎回決算短信にパイプラインの進捗状況を「研究開発活動」の項目に載せています。
そこで、その項目について前回の2Q決算から差分があった箇所をまとめます。
(文字化けを防ぐために環境依存文字等、決算書に載ってる文字を一部別の文字に置き換えています。)
( i ) 自社の研究開発及び共同研究
(臨床開発段階)
(c) 5-HT2B拮抗薬(RQ-00310941)
[前回]
下痢型過敏性腸症候群(IBS-D)を目標適応症として開発中の本化合物は、本化合物を初めてヒトに投与する第1相臨床試験(健康成人及び患者を対象)を平成27年7月に英国で開始し、現在継続実施中であります。
[今回]
下痢型過敏性腸症候群(IBS-D)を目標適応症として開発中の本化合物は、本化合物を初めてヒトに投与する第1相臨床試験(健康成人及び患者を対象)を平成27年7月に英国で開始し、被験者への投与は終了しました。現在データの解析作業を実施中であります。
下痢型過敏性腸症候群(IBS-D)を目的適応症とした「5-HT2B拮抗薬(RQ-00310941)」の第1相の治験が英国で行われていましたが、被験者への投与が終了し、データの解析中という表記に変わりました。
今年7月のラクオリアのセミナーで、この化合物について「今年の終わりから来年の始めぐらいにかけて何らかの結果が狙えるのではと期待している」と述べていたので、その予定通り、治験の進捗は順調のようです。
ただし、解析結果がどうなるかはまだわからないため、治験結果が出たときに、これが好材料になるかどうかは何とも言えない状態です。
もし、良い結果が出たときには、導出活動も積極的に行われると考えられるため、導出の期待ができます。
ちなみに、ネット上の書き込みでは、この化合物の適応症を「便秘型IBS(IBS-C)」と混同しているような書き込みがちらほらあり、既に発売されているIBS-Cの治療薬と比較されていることがあります。
しかし、現状この化合物の主な適応症は、「下痢型IBS(IBS-D)」ですので、IBS-Dの治療薬と比較する必要があります。
参考に、IBSの分類を以下に記載します。
- 便秘型IBS(IBS-C)
- 下痢型IBS(IBS-D)
- 混合型IBS(IBS-M)
- 分類不能型
( ii ) 導出先の開発状況
(a) カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(RQ-00000004、tegoprazan)
[前回]
胃食道逆流症(RE/NERD)を主目標適応症としてCJ社(韓国)で開発中の本化合物は、韓国において第3相臨床試験を実施中であり、中国での開発も準備が進められております。
[今回]
胃食道逆流症(RE/NERD)を主目標適応症としてCJ社(韓国)で開発中の本化合物は、平成29年8月にMFDSへの承認申請がCJ社(韓国)によって行われました。今後、新薬許可の手続きを経て、薬価収載後、平成30年12月に正式発売する予定です。また、中国での開発も順調に進められております。
既に、今年9月にラクオリアからIRが出ていますが、tegoprazan(テゴプラザン)について、治験中から承認申請済みへと変わっています。
正式発売は2018年12月予定なので、承認許可がそれより前の何月に出るのか気になるところです(調べればだいたい予想はつきます)。
今回の注目ポイントは、tegoprazanの中国での開発が「準備が」から「順調に」進められているという表記に変わっていることです。
「開発」とは、具体的に何を示すのかわかりませんが、ラクオリア社員が表現を気分的に変えたのでなければ、以前よりコトが進捗していると考えられます。
tegoprazanの第3相の治験のターゲットの種類で、現在一般公開されているものは以下の4つです。
- びらん性食道炎
- 非びらん性胃食道逆流症(NERD)
- 胃潰瘍
- ヘリコバクターピロリ感染症
この中では、びらん性食道炎の治験が終わり、これで承認申請を行いました。
残りの治験は、まだ終了報告の一般公開がありません。
私は、NERDの治験で有効性が出るかどうかでtegoprazanの価値が大きく変わると考えているため、この残りの治験が順調なのかどうか非常に気になっています。
中国での開発が順調に進んでいるということは、現状残りの治験に関して悪い報告が出ていないと解釈して良いのか、それとも、びらん性食道炎さえ有効性がわかれば、残りの治験の結果がどうなろうと中国での開発を突き進める方針なのかと気になります。
(b) セロトニン5-HT2AおよびドパミンD2受容体遮断薬(ziprasidone)
[前回]
本剤は、米国ファイザー社によって83ヶ国で販売されており、米国の治療ガイドラインには第一選択薬として収載されています。
[今回]
本剤は、米国ファイザー社によって75ヶ国で販売されており、米国の治療ガイドラインには第一選択薬として収載されています。
ファイザー社から販売されているziprasidone(ジプラシドン)の販売国の数が「83 ⇒ 75」に変更されています。
なぜか少し販売国が減っていますが、まぁ、ラクオリアのは日本国内の話であり、また、販売国が大きく減少しているわけでもないのでスルーで。
(d) グレリン受容体作動薬(Entyce®、 RQ-00000005、AT-002、capromorelin、動物薬)
[前回]
ペットの食欲不振治療薬としてアラタナ社(米国)にて開発を行った本化合物は、FDAのCVMとの間で、製造移転に関する協議を行ったことを発表し、Entyce®の製造に関するCVMとの合意に基づき、必要申請書類の再提出を行い、申請書類が受理された場合、平成29年の秋までに販売を開始する見込みであります。
[今回]
ペットの食欲不振治療薬としてアラタナ社(米国)にて開発を行った本化合物は、FDAのCVMとの間で、製造移転に関する協議を行ったことを発表し、Entyce®の製造に関するCVMとの合意に基づき、必要申請書類の再提出を行い、申請書類が受理された場合、平成29年の秋にEntyce®の販売を開始する見込みであります。
表現が明確になるように少し修正されていますが、内容は変わっていません。
ただし、この情報は3Q、つまり、9月30日時点での情報らしく、実際には、10月にラクオリアからIRが出たように、Entyceは既に販売が開始されています。
そのため、今後の決算では、Entyceのロイヤルティ収入を楽しみにできます。
順調に事業が進捗していることを示す決算内容でした。
バイオ企業は、順調にコトを進められることがなかなかないため、順調であることは非常に素晴らしいことです。
このまま黒字化予定の2019年まで順調に事業が進むことを願います。
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