男一人で鋸山に登ってきたの後編です。
前編はこちら ⇒ 男一人で鋸山に登ってきた ‐ 前編
「地獄のぞき」と日本寺の大きな石の大仏を見ました。
一般の観光客からしたらメインの観光はこれで終わりです。
ただ、私は事前に調べていた「ラピュタの壁」や「東京湾を望む展望台(地球が丸く見える展望台)」を行こうと計画していたため、ここで帰らずに、観光を続けました。
ラピュタの壁は日本寺の敷地の外にあります。
「百尺観音」がある所に、別の日本寺の出入り口があり(登山道から登って来た人はここから入場する)、そこからラピュタの壁に行くことができます。
ラピュタの壁や登山道の存在を知らない人は、百尺観音の所に謎の場所があるなぁ、何だろう?と思うでしょう。
観光マップが非常にわかりづらいため、ほとんどの人はスルーするでしょうが、ラピュタの壁は、その出入り口からそこまで遠くない場所にあります。
足場は山道で悪いため、足腰が不自由な高齢者の方は状況によっては避けた方が良いかもしれません(地獄のぞきを苦労なく見に行ける人なら大丈夫かと)。
ラピュタの壁がそんな気軽に見られる場所にあるなら、わかりやすく大きく案内したら良いのにと思いますが。
というわけで、ラピュタの壁を見に百尺観音の所まで、下ってきた道を登ることになりました。
私は最終的に登山道から下って帰る予定だったため、その順路になりましたが、登山道を使わない人は、百尺観音を見たついでにラピュタの壁を見に行った方が良いです。
暑さと久しぶりにたくさん動いたせいでヘトヘトでしたが、まだ見ていない日本寺のスポットを見るために、中腹エリアの方をぐるーと回って百尺観音の方へ登ることにしました。
「薬師本殿(醫王殿)」。
「源氏不動」。
よく見ると石に絵(源氏不動の姿?)が彫られています。
「乾坤稲荷」。
全面が苔で埋め尽くされていて趣があります。
「通天窟」。
今、私はNintendo Switchの「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」をやっているのですが、その世界に出てきそうな雰囲気です。
中腹エリアを見終わり、百尺観音の所まで登ります。
ただ、階段ってこんなにもしんどかったっけ?
今まで生きてきた中で一番階段がつらいと思いました。
登っても登っても階段が出てくる。
いったいどんだけ私は山を下ったのだろうか…
おそらく、暑さもなく疲れもない状態だったら、ホイホイと登って行ったのでしょうが、既に体力の限界辺りの上でのこの階段だったため、非常に厳しかったです。
途中、歩けないとなり、手すりにもたれ掛かって休んだりもしました。
帰ろうかとも思いましたが、せっかく来たのだから、そして、また来ることはよっぽどなことがない限りないだろうと思い、登る決意をしました。
そして、なんとか、最初の日本寺の出入り口までは登ることができ、そこにあった自動販売機でまたもやペットボトルを購入。
座って休みたかったですが、座る所がなかったため、百尺観音の所にベンチがあったことを思い出し、もはや百尺観音の所というよりもベンチを求めに百尺観音の所に向かいました。
そして、百尺観音の所に辿り着き、ベンチに座ってしばらく休憩。
修行に来たかのようです。
再始動。
ラピュタを目指します。
百尺観音の所の日本寺の出入り口辺りの壁に文字が彫られていました。
出入り口を出た所の道はこんな感じです。
「ラピュタの壁」。
四角く欠けていたりするのが、ラピュタっぽい感じがします。
海も入れた写真。
少し、宙に浮いているラピュタっぽい?
海の方はこのような景色です。
雲がすごい。
この後、東京ですごい大雨が降って、Twitterで騒ぎになっていましたが、その大雨の雲でしょうか(右の方は東京湾なので)。
こちらの場所は、雲が外れてずっと晴天でした。
ラピュタの壁が見られる場所に親子の家族が1グループだけいましたが、親が子供にすごい怒っていました。
お盆休みは観光地で家族連れが喧嘩するシーズンなのかな。
次は、「東京湾を望む展望台(地球が丸く見える展望台)」に向かいます。
向かう途中に、石切場跡などもあるので、それを見るのも目的です。
ただ、「目が、目がぁ~!」ではなく、「脚が、脚がぁ~!」、「膝が、膝がぁ~!」状態でした。
東京湾を望む展望台の方は展望台というから、山を下らず登る方なのですが、ラピュタの壁の所からは、来た道以外に下る道しかなかったため、大丈夫なのだろうかと不安になりつつ進みました。
少し下ると、下山できる道(関東ふれあいの道)と東京湾を望む展望台の方(石切場跡の方)の分かれ道があり(おそらく矢印看板があったかと)、無事に行きたいルートの方へ進めました。
たまに階段と手すりが登場するのですが、私はもはや手すりを掴まないと上り下りができない状態だったため、手すりを掴んで歩いていていました。
しかし、途中何かを感じて、手すりを掴むのをやめました。
そして、掴もうとした手すりの部分を見たら、立派な大きな毛虫がいました。
危うく、毛虫を握りつぶすところでした。
目で毛虫を見たわけでもなく、手すりを持つのをこの時だけやめたため、人間の第6感の存在を少し信じました。
この後は、手すりをしっかり見つつ、手すりを掴んで進みました。
登山道の様子。
歩いている人はほとんどいませんでした(たま~に人と出くわす)。
歩いている途中見上げると地獄のぞきと思われる場所がありました。
しばらく進むと、石切場跡だったかそのような文字が書かれた立て看板がある分かれ道があったため、石切場跡の方に向かいました。
「石切場跡(岩舞台)」。
すごい綺麗に直方体状(この角っとした階段状の様子を表現する言葉がわからないw)に石が切られています。
突然これが目の前にドーンと出てくるため、驚きます。
これは見る価値があります(単なる壁じゃんと思う人もいるかもw)。
正面から見た様子。
下の方は、こんな感じの広場になっています。
写真に写っている人と比較するとスケールの大きさがわかると思います。
「進撃の巨人」の「壁」もこんな感じなのでしょうか。
上から巨人が覗いていたら、まさに進撃の巨人の登場人物と同じ恐怖を味わえそうです。
ちなみに、私が行った時はここに写真撮影が趣味っぽい男女のカップル1組だけいました(写真に写っているのはそのカップルの1人)。
真下から見上げるとこんな感じ。
すごい綺麗。
奥の方(横の方)の壁に「安王第一」と彫られています。
ネットで検索したら、おそらく「安全第一」のことだろうと書かれていました。
上の方には、石切りの際に使っていたと思われる錆びた機材が放置されています。
廃墟感。
ラピュタのロボット兵でも埋まっていないだろうか。
さらに、先程の「安王第一」の真下の所に登れるのですが、行ってみたら、おそらく行き止まりっぽかったです。
脚ガクガクの中、蜘蛛の巣がある中、わざわざ行ったのに、何もなく悲しく引き返しました…
先程の立て案内看板があった分かれ道まで戻った所だったか、もうちょっと先に行った所かに、父と小さい子供(小学生に入る前辺り)が座って休憩していました。
私はこの脚と体力の状態で東京湾を望む展望台に行けるのかが非常に心配だったため(最悪の場合、山道で独りで逝き、誰からも発見されない可能性がある)、そのパパさんに、車力道(展望台がある道の方)から鋸山に登ってきたのか、展望台まで登ったのか、きつくないかを尋ねました。
すると、車力道から来たこと、展望台に登る道以外はそこまで大変ではないこと、展望台も登ったが、その道はとても急で超きついということを返答されました。
その情報で、車力道からの下山はギリギリ行けるだろうと判断しました。
展望台は、きついのか…
でも、小学生に入る前くらいの子供もそのきつい展望台の道を登ったということだよな?
あんな小さい子供が登れるなら、今のヘトヘト状態だったとしても私も登れるだろう、いや、あんな小さい子供に負けていたら、私のプライドが許さない!となり、展望台まで登ることを決意しました。
結果を先に述べると、パパさんの発言通りでした。
あの子供は何者なんだ…
というエピソードもあり、東京湾を望む展望台に向け進みます。
先程とは別の石切場。
テトリスみたい。
下の方はこうなっており、石が積まれていました。
途中、池が出てきます。
ネット情報によると「モリアオガエルの池」らしいです。
モリアオガエルは見かけませんでした。
「切通し」。
パワースポット感があります。
そして、出てきた「東京湾を望む展望台」へと続く立て案内看板がある分かれ道。
ここまで来たら、登るっきゃない。
先程は行こうかどうか超迷っていましたが、ここは迷わず展望台に突き進みました。
先程のパパさんは「とても急」と言っていたけど、このくらいの急さならいけるやろ。
上から高齢のおばちゃん(登山慣れしていそうな服装をしていた)が軽いフットワークで軽々と下りてきたし、いけるやろ。
この急さなら、なんとか…なんとか…
ふぇっ!?
ふぇぇっ!?
ふぇ~~~。
ズームなど何もせずに目の前を撮影した写真です。
普通の階段で写真撮影してみたらわかると思いますが、1つの段がこんな目の前に「どーん」と写りません。
とてつもなく段差が大きく、しかも急です。
要介護高齢者のように、手すりにしがみついてヨレヨレで一段一段、また一段一段とゆっくり階段を上りました。
私の身長でも一段上がるのに足を大きく上げないといけなくギリギリなくらいなのに、先程のパパさんが連れていた小学生より小さそうな子供はいったいこの階段をどうやって上ったのだろうか…?
実は、あれは仮の姿なのではなかろうか。
それとも、パパさんがすごいパワフルマンで、子供を肩に担いで上ったのか。
不思議です。
先程すれ違った高齢者のおばちゃんもよく上ったなぁと思いました。
ただ、登山慣れしていて、疲れがない状態の人なら全然問題はないかと。
私も疲れが全くない状態だったら、おそらくここまで苦労することはなかったと思います。
階段から足を滑らせたら人知れず逝く可能性が大きかったため、手すりをガッッチガチに掴んで上りました。
こういう道があるため、雨の日や雨が降った直後はこの展望台に向かうことはやめておいた方が良いと思います。
それにしても、パパさんの発言はその通りでした。
ある程度、体格が良いパパさんが「とても急」と言うくらいなので、「超絶急」とくらいに思っておくべきでした。
なんとか坂を登り切った所に、ベンチがあったため、しばらくベンチに座って休みました。
私にとってはそのベンチが「幸福のベンチ」に見えました。
そんな名の宗教の勧誘がその場にあったら、入ってしまうレベルの疲れでした。
ちなみに、そのベンチの場所辺りにも案内立て看板がある分かれ道があり、1つは展望台、別の道は忘れましたが、別の山かどっかの方に繋がっている道でした。
展望台から帰る時に、間違ってその別の道に行ってしまい、あれ?道が何か違うぞ?と引き返したので、間違わないように気をつけてください。
休憩を終え、いざ行かん、という感じで、あと少しの距離の展望台に向かいます。
幾度の試練を乗り越えてきて、ついに最後だという感慨深い気持ちになりました。
そして…
あぁ…、来た。
何だろう、開放感というか、成し遂げた感というか、何物にも表せない、ああぁぁぁ、ふわぁぁぁ~といった感情になりました。
疲れも吹き飛びました。
今までは立っているだけでもしんどかったのに、立って歩いていても全然しんどくない。
こんなことってあるのかと思いました。
頭が高揚感で疲れ等の信号が遮断されていたのでしょう。
「東京湾を望む展望台(地球が丸く見える展望台)」というか「疲れが吹っ飛ぶ展望台」です。
何とも言えない気持ちの状態から少し経ってから、「ビール飲みてぇ~」となりました。
下山する時に酔っ払っていたら危険なので、実際はやめておいた方が良いですが。
それにしても、ここまでがんばって来たかいがありました。
こんな開放感がある絶景を楽しめるとは。
私が展望台に到着した時に、1人だけ人がいましたが、私が来たと同時に去って行きました。
先程の動画は、展望台に到着後、しばらくしてから撮影したものなので、人が映っていません。
展望台からの眺めの写真です。
天気も良く、最高な眺めです。
ロープウェーの方です。
よーく見ると中央右下辺りに、地獄のぞき待ちしている人らが見えます。
あっちの方から歩いてきたんだなぁと感慨深いです。
パノラマ写真。
左の方は雲が全くないのに、右の方は大きな雲があるのが面白い。
しばらく地球パワーを感じました。
そして、下山。
下山を始めた途端、消えていた疲れが一気に戻ってきました。
階段を1段下りる度に、膝がとても痛い。
気分としては、「地獄から天国、か~ら~の地獄」です。
「地獄のぞき」を見に鋸山に観光に来ましたが、「包み隠さず地獄ガン見」状態です。
地獄の本当の意味はこれだったか…
展望台を下る途中の道で、展望台の方に向かう石切場跡で見かけたカップルとすれ違いました。
そのカップルが私に「こんにちは」と挨拶をしてくれましたが、私は今すぐにでも倒れそうな状態だったため、蚊の鳴くような声で「こんにちは」と返しました。
下山は楽だと思っていたのですが、ちょっとでも負荷を与えると痛みが走る膝の状態では、全然楽ではなく苦行でした。
「ベンチ、ベンチはないかね~」と座れる場所を探すもなかなか出てこず、もうダメ~と思った所で脇道スペースにやっとベンチを発見。
しばらく座って休みました。
なぜか少しうんこ臭かったです。
ここで休んでいる時に、ヘリコプターを呼んで帰りたいと思いました。
丸太がたくさんある道。
いつもなら、1kmは全然遠く感じないのに、1kmがとても遠く感じました。
やっとほぼ下山完了。
平坦な道がこんなに幸せとは思いませんでした。
平坦最高!平坦ありがとう!
膝が悪い高齢者は、こんな感じで大変なんだなと想像することができるようになり勉強になりました。
お昼ご飯を食べるために、事前に調べていた食堂のお店に向かいましたが、お盆休みか閉まっていました。
そのため、海に面している「the Fish(ザ・フィッシュ)」という所に行きました。
よくある大衆レストランのようなお店だと思って来たら、お土産なども色々売っている大きめの施設でした。
その中にレストランが入っています。
鋸山観光のついでに、お土産などを買いたい人はここに来ると良いです。
the Fishの駐車場から撮影した鋸山の方です。
石が切り出された岩肌で、面白い見た目の山となっています。
そして、「アジフライお刺身セット」&「金谷のこぎり山ビール」!
「金谷名物アジフライ」と言われていたので、アジフライを注文。
1,700円でそれなりの値段です(他のメニューも全体的に高いです)。
アジフライ1枚単品で350円なので、お刺身が高いのだろうか。
アジフライは大きいので、味だけ知りたい方で2人以上で来た場合は、2人で1枚単品で頼んでも良いかもしれません(1人で2枚食べるのは結構大変な大きさ)。
食後、お土産コーナーを軽く眺め、いざ帰ろうと思ったら、来た時と同様に電車1時間待ちだったため、電車が来る時間の近くまで、the Fishのイスに座って休んでいました。
the Fishのすぐ近くに、恋人の聖地のモニュメントがあり、それを写真撮影しようと観光前に考えていたのですが、疲れ過ぎていてすっかりそのことを忘れていて、そのモニュメントを見ずに帰ってしまいました。
1人で見るものでもありませんが。
帰りも東京湾アクアラインのバスを利用して帰りました。
そして、無事に家に到着。
まさか、ここまで疲れる観光になるとは思っていませんでした。
新型コロナの影響で運動せずにずっと家に引きこもっていた影響と暑さの影響が予想以上でした。
「東京湾を望む展望台(地球が丸く見える展望台)」や「石切場跡(岩舞台)」は、超穴場スポットです。
「東京湾を望む展望台」や「石切場跡」を見たい人の私のオススメのルートは以下です(各スポットの人の込み具合や天気の状況は考慮していません)。
【鋸山ロープウェー・山の駐車場を利用するケース】
- 百尺観音
- ラピュタの壁
- 石切場跡
- 東京湾を望む展望台
- 地獄のぞき
- 大仏
【登山道を利用するケース】
- 車力道(登山道・行き)
- 東京湾を望む展望台
- 石切場跡
- ラピュタの壁
- 百尺観音
- 地獄のぞき
- 大仏
- 関東ふれあいの道(登山道・帰り)
(7の大仏を見終わった時に、体力を消耗していたら、帰りは登山道を使わない判断ができる)
私は、1番行くのがきつい東京湾を望む展望台を1番最後に回したのが体力温存観点で失敗でした。
しかも、大仏の所から上に登るのが結構大変。
運動にはなったかもしれませんが。
また、見応え的には、徐々に見応えがある場所へとランクアップして行ったので、感動する順番としては良かったかもしれません(天気などの状況で後回しにすると見られなくなる可能性があるので、見られるものは先に見てしまった方が良いですが)。
鋸山の観光は、とてもハードでしたが、とても感動した良い観光でした。
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