ラクオリア創薬のtegoprazan(テゴプラザン)の導出先である「CJヘルスケア」に昨年売却話が出て、ラクオリア株主の間では話題になっていましたが、ついに2018年4月18日に売却が完了しました。
CJヘルスケア売却完了についての記事は以下です。
「한국콜마, CJ헬스케어 매각 완료… 올해 ‘1조 클럽’ 기대」
買収した企業は「韓国コルマー」です。
韓国コルマーは、CJヘルスケア買収前では、化粧品のODM(Original Design Manufacturing)がビジネスの主軸でした。
また、医薬品のCMO(Contract Manufacturing Organization)事業も行っていました。
しかし、医薬品CMO事業だけでは、企業の成長に限界があったため、新薬も開発していき、企業を大きく成長させるためにCJヘルスケアを買収したという経緯です(たぶん)。
ちなみに、「日本コルマー」という企業が日本にあり、その合弁会社が韓国コルマーっぽいです。
今回の件によって、CJヘルスケアのtegoprazanの開発・販売戦略にも少なからず何かしらの影響が出るかと思われますが、それが良い影響なのか、悪い影響なのかは、全くわかりません。予想もつきません。
CJヘルスケアの売却話が出た頃、韓国報道では、売却先候補として世界的大手製薬企業の名が入っていました。
そのため、もし大手製薬企業に買収されたら、大手製薬企業が持つ開発力・マーケティング力によって、tegoprazanの開発が加速し、売上も上がると期待していました。
そしたら、突如出てきた韓国コルマー。
売却先候補として、CVCやカーライルなど世界的大手ファンドも最後の方まで残っていたため、まぁ、大手製薬企業でなくても大手ファンドならマーケティング力もあり、開発資金も豊富で、また、ファンドが持っているヘルスケア企業との相乗効果も狙えるから良いかなと思っていました。
そしたら、買収資金も足りるか怪しい資金力と言われていた韓国コルマーが買収。
う~んという結果です。
ただ、韓国報道によると、CJヘルスケアはCJグループの中ではあまり良く扱われていなかったっぽいので、医薬品事業で大きく成長することを目的としている韓国コルマーに買収された方が、CJグループに留まるよりかは良かったのではと考えられます。
韓国コルマーも悪いようにはせず、がんばってtegoprazanを売るでしょう。
しかし、気になるのは、そのがんばりが結果へ結びつくかです。
まず、ブランド力・マーケティング力がいかほどなのか。
韓国以外の他国でのtegoprazanの販売に関しては、大手製薬企業、または、その国でマーケティング力がある製薬企業に導出さえできれば、あまり気にすることはないかもしれません。
次に、tegoprazanを開発する資金力がどのぐらいあるのか。
韓国コルマーは元々資金が豊富ではなかった上でCJヘルスケアを買収したため、その買収費用によってさらに資金力が減少しています。
そんな中で、tegoprazanを順調に開発できる資金があるかが気になります。
ただ、これに関しても韓国以外の他国に関しては、どこかの製薬企業に導出さえできれば問題ないと考えられます。
また、資金が足りなければ、銀行借入など何かしらの方法で資金を集めるでしょう。
さらに、今のtegoprazanの韓国での治験の様子を見ると、適応症拡大戦略で次々に治験が計画されています。
よって、これもそれほど心配する必要はないかもしれません。
ということで、CJヘルスケア売却に関しては、気にすることはない!というのが私の考えです。
世界的大手製薬企業に買収されていたら、良い意味で気にすることができましたが。
それよりも、tegoprazanの日欧米への導出の行方が気になります。
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