水素関連銘柄の那須電機鉄工の株を買ってみた

那須電機鉄工 ロゴ 株式投資

2020年12月2(水)に、「那須電機鉄工」(証券コード:5922)の株を新規に買いました。

 

那須電機鉄工(那須鉄)は、以下の事業をやっている企業です(公式Webページ参照)。

鉄塔、鉄構、架空線材料(電力・通信用架線金物、碍子、樹脂カバー)、地中線材料、交通システム材料等の製作・販売ならびに表面処理(高耐食めっき、溶融亜鉛めっき、低光沢処理、塗装)および各種工事

 

那須鉄を買った経緯

那須鉄の株を買うに至った経緯を書きます。

「ル・マン24時間レース」で「水素レーシングカー」の話が出てきたり、中国が「水素自動車(FCV:燃料電池自動車)」を推し進めるような動きが活発になり、最近、水素に関連するニュースが多くなってきました。

また、世界各国がガソリン車0を宣言し始めました。

そこで、これから世界各国や日本で水素社会へ移行するための政策やニュースが今まで以上に出始めるだろうと予想し、水素関連銘柄を探し始めました。

 

水素関連銘柄の中で、時価総額が大きくなく、株価もまだ上がっていない銘柄を探していたら、那須鉄を発見しました。

そしたら、ちょうど、那須鉄が関係している三菱化工機などが参加している水素関連のプロジェクトで実証に成功、商用化に期待というニュースが出た直後でした。

 

しかも、上記のプロジェクトで那須鉄は、「水素吸蔵合金の開発、製作、特性評価」という重要な担当をしています。

那須鉄に水素社会実現に貢献する技術がありながら、この実証成功ニュースが出ても、那須鉄の株価が上がっていなかったため、誰も興味がないのか、ただ世間が認知していないだけだろうかと考えつつも、今後のことを考えたら穴場だろうと思いました。

那須鉄の業績は地味で、現時点で売上の成長性はほとんどありませんでしたが、カタく毎年ヨコヨコの売上、かつ、ヨコヨコの利益を出し(昨年度は土地の売却益で利益は大きく上振れ)、超安定したものになっており、PBRも0.3倍辺りで投資リスクは低いと考えました。

投資リスクは低く、水素関連ド本命になる可能性があるため、すぐに株価が上がらなくても良いやと思い、長期目線で株を購入することにしました。

 

私が那須鉄の株を買った時は、先程述べた水素吸蔵合金のニュースに反応してか、朝の寄りで少し成り買いが入り、私の指値がささらず、ちょっと上に株価が上がってしまいました。

このまま皆にニュースが知れ渡り暴騰すると困ると思い、指値を上げて購入。

そして、私が買った株価がその日の最高値となり、じわじわ株価が下がって行きました。

「上がらないのかい!」と心の中で悲しくツッコミつつ、仕方ないと思い、今後しばらく水素関連ニュースを追いかけるかぁと思いました。

 

そしたら次の日の朝、なんと日本政府が各国の動きに対応してか、日本もガソリン車ゼロにすると言ったニュースが飛び交い、ネット上で話題になりました。

これは、那須鉄来るんじゃね?と思ったら、予想通り、那須鉄が寄りは株価低めでしたが、市場に水素関連銘柄と知れ渡り始めたのか、暴騰。

次の日も暴騰。

私はいやっほーい!

 

那須電機鉄工 株 買い

 

私、天才過ぎない?

私の天才さが怖いと思うほどの見事なタイミングでの買いでした。

結局、日本政府がガソリン車0の話をタイミング良く出してくれたおかげでしたが、そういうニュースが今後たくさん出てくるだろうと思っての買いだったため、読みが当たったと言っても良いでしょう。

 

私の那須鉄の買いの経緯は、以上です。

次は、水素や那須鉄の話をしていきます。

真面目に書こうと思ったら、超長文になって、時間が掛かるため、色々省略して書きます。

 

水素社会は来るのか?

自動車について

自動車の話になると、「EV(電気自動車)」「水素自動車(FCV:燃料電池自動車)」が話題になることがあります。

EVと水素どちらが来るのか。

EVといえば、最近では「テスラ」だ、みたいに世間はなっており、イーロン・マスクは水素自動車に批判的で、テスラ信者も水素に批判的な人をよく見ます。

一方、水素自動車といえば、「トヨタ」だ、みたいに世間はなっています。

トヨタは、「MIRAI(ミライ)」という水素自動車を販売しています。

 

で、EVと水素自動車のどちらが来るのかという話になると、現時点の技術では、適材適所でどちらも来ると私は考えています。

例えば、都会に住む一般人がすぐ近くの場所まで行くくらいならEVのカーシェアリングくらいで済みますし、トラックやバスの大型車の長距離移動になると水素自動車の方が効率が良いでしょう。

 

「EVのカーシェアリング」と書いた理由は、現時点の技術では、EVは充電に何十分も掛かるため、例えば、一軒家に1台だけ車を保有している家庭なら良いですが、マンション住みの人はどこで皆充電するの?となったり、家族で複数台車を毎日通勤等で使っている場合は、家族間で充電の取り合い合戦になります。

1台分の駐車場につき充電機1台とまで整備できるならこの問題は解決するかもしれませんが、そうなる未来が来るのか?と問われると、怪しいと思う人が多いでしょう。

 

他にも、EVは電池の資源問題など色々な問題があります。

水素自動車の方も色々問題がありますが、ガソリンスタンドくらいに街中に水素ステーションができるなら、コストの問題だけで解決するため(細かい問題は色々あるとは思いますが)、まだ水素自動車の方が現実的と思えます。

 

でも結局は、今後EVと水素自動車のどちらの技術が大きく発展するかです。

もしも、EVと水素自動車のどちらがシェアを大きくとるか賭けをしましょうとなった場合、どちらの方が技術のブレークスルーが起こりやすいかと考えて賭けをすることになると私は考えます。

 

自動車以外について

自動車の話も重要ですが、自動車以外の水素社会の話の方がさらに重要です。

日本を含め世界各国で、ガソリン車0の話以外に、CO2排出そのものをなくそうという働きが今まで以上に活発になっています。

そうなってくると、どうやって電気を作り出すか、発電所の話が重要になってきます。

原子力発電所をあちこちに作れば、CO2は削減できますが、現在の世の中では、原発反対の動きがあります。

今後、核融合による発電が簡易かつ安全にできるようになれば、発電によるCO2排出の課題も大きく解決されるかもしれませんが、それが実現する日がいつ来るかはわかりません。

そうなると、今まで同様に火力発電所などが必要になってきます。

 

もしもEVが自動車のシェアの90%を取ったとしてもそのEVの電気を作り出すのに、CO2を排出しまくっていたら、環境面でEVを使う理由が一切なく、ガソリンと変わらなくなってしまいます。

そこで、「水素」が登場するのです。

 

電気の場合は、作ったらすぐ使うというのが現在では一般原則のようになっています。

電気を電池に蓄えておくと自然放電してしまいます。

また、長距離の場所で使うとなると、大掛かりな送電設備が必要になり、例えば、海外からの送電などは実現が非常に困難です。

 

一方、水素の場合は、どこにでも運ぶことができ、また、タンクの中に長時間貯めておくことができます

(この太字にした部分が那須鉄に投資するにあたって、超重要な事柄です)

 

そのため、風力発電や太陽光発電、水力発電などのCO2を発生させない発電方法で作り出した電気で、水素を作り出し、貯蔵し、その水素から燃料電池で発電すれば、クリーンな方法で安定的に電気を供給できるのです。

これが「水素社会」を語る上で最重要です。

しかし、この話が現在、世間の人々に全然知られておらず、水素を作り出した方が、CO2がたくさん発生するので、水素反対と言う人がいる状況です。

 

ただ、この意見もあながち完全に間違いとは言えません。

水素を作り出したり、運用する過程に、色々な設備等が必要になってくるため、そのようなものも全部ひっくるめると、CO2を結構出してしまっているということもあり得ます。

その話について、下記の記事を読むと良いです。

「なぜ今、水素なのか?~2015年水素時代の幕開けに寄せて」(東海大学工学部教授 内田裕久)

 

内田裕久教授は、水素燃料研究で有名な方で(那須鉄にも関係しています)、上記の記事の「水素は”究極のクリーンエネルギー”か?」という章で、環境負荷の定量評価の必要性を述べています。

世間の一般人は、あーだこーだ言いますが、研究者は当たり前のようにそれらの課題も考えて研究をしています。

上記の記事には、「水素吸蔵合金」の話もあるため、那須鉄の株主は記事を全部読むことをおすすめします(那須鉄株主以外も読んでおくと教養として良いかも)。

 

 

下記の記事には次のようなことが書かれています。

鹿島が目指す水素社会の未来 「地産地消」が実現するクリーンで強靭なまちづくり

再エネ事業の拡大に伴い送配電網の容量の制約が生じ、新規のメタン発酵施設の新設・FIT(固定価格買い取り制度)売電事業が中断

 

その解決策が水素だ。バイオガスを水素に変換することで、圧縮や液化、水素吸蔵合金などにより運搬・貯蔵が可能になり、利用拡大が期待

 

水素を体積の1000倍も貯蔵できる特殊な水素吸蔵合金タンクで省スペースかつ安全な保管を実現し、平常時の動物舎などの電力に加え、停電時の非常用電源にも利用できる

色々な場所でバイオガス等の「再生可能エネルギー(再エネ)」から発電しても、送電設備の問題が出てきます。

その時にも、運搬・貯蔵が可能な水素にメリットがあります。

 

 

電気を作り出し効率良く利用することまでを考えると、CO2を大幅に削減するには、現時点の技術では、水素が現実解となるのです。

そのため、欧州や中国が突然、水素!水素!と言い出していると推測します。

ということで、水素社会が来る可能性は大いにあります。

もしも水素社会が来たら、水素関連市場の規模はいったいどれだけ大きくなるのだろうかとワクワクしてしまいます。

 

日本の水素社会戦略

日本は、前々から水素社会の実現について力を入れています。

また、2020年12月4日の菅内閣総理大臣の記者会見で以下の説明があり、日本政府は今後いっそう水素社会の実現に向けて力を入れると推測されます。

無尽蔵にある水素を新たな電源と位置づけ、大規模で低コストの水素製造装置を実現します。

水素飛行機や水素の運搬船も開発します。

 

「かながわ次世代エネルギーシステム普及推進協議会」というのが存在します。

その中の資料で、下記の資料を読むと日本の水素社会戦略の一部がわかります。

 

上記の資料を読むと、日本がいついつまでに何を実現しようと計画しているかわかってきます(この計画も世界の動きや技術発展に伴い、大きく変わる可能性があります)。

 

上記のURL先の資料に、那須鉄の株主にとっては面白い以下の記載があります。

 

かながわ次世代エネルギーシステム普及推進協議会 名簿

 

かながわ次世代エネルギーシステム普及推進協議会 座席表

 

「トヨタ自動車」などのビッグネームや「経済産業省」という名前がある中に、「那須電機鉄工」の名があります。

 

また、「イノベーション・ダッシュボード等(重要分野別)」の資料に以下の記載があります。

 

輸送・貯蔵:圧縮水素、液化水素、有機ハイドライド、アンモニア、水素吸蔵合金等の輸 送・貯蔵技術の開発

 

「ナショナルプロジェクト」の表に「(環境省)地域連携・低炭素水素技術実証等」という事業名があり、その実施者の中に「トヨタ自動車」や「日立製作所」、さらには、「鹿島建設」や「大成建設」のスーパーゼネコンなどの大企業の名前があり、その中に「那須電機鉄工」の名があります。

 

つまり、「国策銘柄」と言っても良いでしょう。

水素関連ド本命銘柄です。

日本政府が成長戦略で「カーボンニュートラル」という言葉を掲げたので、今後は「カーボンニュートラル関連銘柄」とも言えるのかな。

 

欧州や中国が水素燃料に力を入れ始めましたが、せっかくトヨタ自動車が水素自動車のMIRAIを販売していることもあるので、日本は水素技術、水素ビジネスで世界で大きなシェアを獲得し、お金ガッポガッポして、日本国民が幸せになる未来が来て欲しいです。

 

那須鉄について

水素関連製品

現在わかる範囲で那須鉄が保有している水素関連の技術は「水素吸蔵合金」関連と考えられます。

水素を効率的に貯えるための技術です。

その中で、「ナノ化鉄チタン水素吸蔵合金」というものを利用した水素タンクを開発しています。

「ナノ化鉄チタン水素吸蔵合金」について、どのようなものか知りたい方は、下記の記事を参照すると良いです。

 

簡単にまとめると以下です。

従来の「水素吸蔵合金」には以下の課題がありました。

  • 高価なレアアースを利用した水素吸蔵合金はコストが高く、普及しづらい
  • 他の合金と比較し安い鉄チタン合金は、水素との反応性(初期活性化)が悪く、使いにくい

 

この課題が「ナノ化鉄チタン合金」によって以下のように解決されました。

  • 安くて資源豊富な鉄とチタンの合金のため、コストが低く、今までより普及しやすい
  • 水素吸収・放出反応が速く、反応性が良い

 

他にも、以下のようなメリットがあります。

  • 水素を高圧ガスとして圧縮して貯蔵する場合と比較した場合
    • 10気圧以下で貯蔵できるため、高圧ガス規制(高圧ガス保安法)の対象外であり、また、圧縮するコストが掛からない
  • 液化水素として貯蔵する場合と比較した場合
    • 液体化や低温(-253℃)で維持するコストが掛からず、また、水素が蒸発(ボイルオフ)して徐々に減少することがない
  • 室温・大気圧下での取扱いが容易で、バルブを開くだけで水素を取り出すことができる
  • 難燃性の非危険物で安全な合金のため、消防法に抵触しない
  • 7300回の水素吸蔵・放出でも劣化なし(1日1回なら20年相当の耐久性)

 

つまり、那須鉄の「ナノ化鉄チタン水素吸蔵合金」によって、水素社会実現に向けた水素貯蔵の観点の問題が大きく改善されたことになります。

先述したように、水素は電気とは異なり、長期貯蔵、遠くに輸送できることが大きなメリットのため、水素貯蔵技術は大変重要であり、貯蔵効率化、コストダウンに結びつく技術が、水素社会の発展への要となってきます。

 

 

那須鉄は自社が保有する水素吸蔵合金の技術を活かし、2020年12月6日時点で、那須鉄の公式Webページの「水素吸蔵合金システム」のページには以下製品が販売商品として記載されています。

  • 空温式水素吸蔵合金システム(MH-QUONクーオン)
  • 水素吸蔵合金タンク

 

また、先述した三菱化工機などと共同で「吸蔵合金水素圧縮機」の開発プロジェクトを行っているため、これの商用化が実現したら、これも水素関連製品のラインナップになる可能性があります(複数社の共同開発のため、利益配分はどうなるかは不明です)。

これに関する三菱化工機のプレスリリースには、下記の記載があり、「水素ステーション」への導入も考えていることがわかります。

商用化実現の際には、流通する水素の圧力域(19.6MPaG)への昇圧用途に加え、水素ステーションにおいては、既存機械式圧縮機との組み合わせにより、機械式圧縮機昇圧負荷の軽減を図れる可能性があります。

 

ただし、先述した「かながわ次世代エネルギーシステム普及推進協議会」の資料のロードマップを見てもわかるように、今すぐこれらの製品の売上が那須鉄の全体売上と比較して、大きく上がるとは思えないです。

私が長期投資になると考えた理由はそのためです。

しかし、世界の情勢次第では、水素社会実現へ取り組みが予想以上に早まる可能性もあります。

もしも水素関連の商品が売れ出した時に、那須鉄の株が高騰済みで、そこから手を出すのは怖い状況になっていたり、水素関連ニュースをきっかけとする思惑で仕手化する可能性もあるため、まだ手を出すのは5年くらい早いかな~と思いつつも、先回りで株を買いました。

 

特許

「水素吸蔵合金」の製品があるといっても、特許がないと競合他社に真似されるため、特許があるかどうかが重要になってきます。

2020年12月6日時点で、「J-PlatPat」で検索して出てくる那須鉄の水素吸蔵合金に関係しそうな特許は以下のようなものがあります。

  • 特許第4602926号(合金粉末の製造方法)
  • 特許第6081692号(水素吸蔵合金タンク)
  • 特開2020-67171(水素吸蔵合金タンク収納機器の冷風又は温風供給システム及びこれに使用する装置、公開日:2020.4.30)

 

上記の特許の中には、東海大学との共同出願もあります。

おそらく、先述した内田裕久教授と研究開発していたものでしょう。

 

那須鉄は、水素吸蔵合金関係の特許をいくつか出願、取得しており、ビジネス観点もしっかり考えているようです。

ただし、私の現在の知識では、これらの特許の内容を精査できないため、どのくらい権利の囲い込みができているかは不明です。

とりあえず、ちゃんと考えて特許は出して、しっかりビジネスをしようとしている姿勢があるということがわかる参考にはなります。

 

上記とは別に、風力発電設備関係の特許も出願していたのが気になりました。

元々、送電設備に関連する製品を出している会社なので、全然不思議ではないですが、風力発電等を利用して水素を作り出すことが今後増えてくることを予想した戦略を取っているのかなと気になりました。

 

その他の材料

那須鉄のチャートを見ると、過去に株価が短期で数倍になっています。

那須鉄の投資関係の掲示板の書き込みを見ると、5G関連で急騰したらしいです。

前までは、那須鉄が水素関連とはそこまで注目されず、5G関連として注目されていたっぽいです。

そのため、5G関連銘柄であるとも言えます(5G関連設備投資も限定的で、そこまで利益は上がらない気がしますが…なので、株価は一瞬だけ上げて、下がったのかな)。

 

今後、EVが増加した場合、EVの充電場所が多く必要になる可能性があります。

その時に、送電網が今まで以上に必要になり、那須鉄の製品の需要が増える可能性もあります。

そのため、EV関連銘柄であるとも言えます。

 

つまり、「水素・5G・EV」関連銘柄です。欲張りセットです。

 

また、例え水素社会が来なかったとしても、世界的に再生可能エネルギーから電気を作り出す流れになっているため、各地で再生可能エネルギーから電気を作り出した後の送電網設備が必要になり、EVの送電網の課題のように、那須鉄の製品の需要が増加する可能性があります。

そう考えると、環境対策オールインワンの銘柄と言えるでしょう。

 

成長性

利益の面で見ると、しばらくはヨコヨコの地味な推移をすると予想します。

2019年5月28日に、那須鉄からリリースされた「中期経営計画策定に関するお知らせ」に、下記の表が載っています。

 

那須電機鉄工 2021年度定量目標

 

2029年度まで書くのかいな、そんなん予想できないだろうと思いますが、会社側としても、今まで通りのヨコヨコ業績が続くだろうと表向きは予想していることがわかります。

ただ、これには水素社会の進捗に応じた要素はあまり入っていないだろうと推測します。

入っていたとしても、先述した「かながわ次世代エネルギーシステム普及推進協議会」のロードマップ通りに行って、2029年度はこんくらいかなぁ~と思っているだろうと推測します。

私も水素社会が将来来るとしても、2030年以降にやっと少し浸透し始めるかどうかくらいかなと当初は思っていました。

しかし、各国が突然、ガソリン車0、CO2を出さないぞーと言い出したので、私の当初の予想よりも水素社会の到来が大きく早まる気がしています。

 

また、気になるのは、日本市場以外の戦略です。

欧州と中国が水素に力を入れ始めたため、そこをターゲットに「水素吸蔵合金」の製品を売れば、売上が大きく上がる可能性があります。

上記の中期経営計画の資料の「電力・通信関連事業」のページに「海外事業への積極展開」と記載があるため、水素関連製品以外でも、海外事業展開の余地があり、それによって売上が計画より上振れする可能性もなきにしもあらずです。

水素吸蔵合金については、せっかく世界で先行した技術があるので、ぜひ超積極的に海外展開することを期待しています。

 

気になるのは、水素吸蔵合金の製品の粗利です。

たくさん売っても全然利益にならなかったら、ビジネスとしてはウンコのため、上手い商売をして欲しいと思います。

また、那須鉄の技術を大きく上回る技術が他社などから出てきたときも、ウンコになる可能性がありますが、それは予想がつかないため、那須鉄の技術力を信じるしかないです。

 

というわけで、業績は数年そこらで急激に上がる可能性はないと予想して、10年くらいの長期で見守ると良いと思います。

 

株価

株価は、2020年12月4日終値時点で、PBRが0.47倍のため、PBR観点ではとても割安です。

PBR観点でとても割安になっている理由の1つは、業績がヨコヨコで成長性がないからです。

安定して配当をもらう銘柄としては良いですが、短期で儲けようとするには難しい銘柄です。

ただし、「水素・5G・EV」関連の欲張りセット銘柄の上に、国策銘柄ですので、何かニュースをきっかけに仕手化して暴騰する可能性があり、そういう点では、安定して配当をもらいつつ、たまに来る暴騰で儲ける銘柄としては良いと言えます。

 

一時の急騰ではなく、安定してチャートが右肩上がりに上がって行くためには、水素関連銘柄として金融機関(ファンド)が目をつけるかどうかと考えています。

機関が目をつければ、今回の株価の急騰は、初動となるでしょうし、機関が目をつけなければ、花火で終わるでしょう。

「水素吸蔵合金を用いた水素高圧化の実証機による試験運転の成功」のフェーズを機関がどう捉えるか。

また、菅首相が記者会見で、水素社会について言及したことは、機関が那須鉄に目をつけるための非常に大きな後押しになると考えられます。

機関が那須鉄を水素関連ド本命、国策銘柄と認定すれば、あとは、機関がちまちま株を買っていき、株価が着実に上がって行くでしょう。

「政策に売りなし(国策に売りなし)」状況になるかどうかがポイントです。

 

那須鉄の株価について、1つ大きな課題があります。

「板がスカスカ」なことです。

東証2部銘柄で注目度が低い上に、 単元株価格が高いため、板に出ている注文の値幅が開きやすくなり売買がしづらいです。

ボラティリティがとてつもなく大きくなるため、板を見るのも精神的に疲れて、見たくなくなります。

過去に株価が2万円くらいになったときは、いったい板はどうなっていたのだろうと思います。

売買がしづらいと投資家も入りづらくなるため、株価対策としてはよろしくないです。

 

株主から批判が大量にあったのか、経営陣もさすがにどうかと思ったのか、2020年5月26日に那須鉄から「投資単位の引下げに関する考え方及び方針について」のお知らせが出ています。内容は以下です。

1.  投資単位引き下げに関する考え方

当社株式は、多くの株主様に保有いただいており、また現在の出来高等を勘案したところ、当社の株式の流動性は十分に確保されていると考えており、現在のところ、投資単位の引き下げを実施することは考えておりません。

 

2. 投資単位引き下げに関する方針

当社株式の投資単位の引き下げにつきましては、株式市場における動向や株主構成等を総合的に勘案し、引き続き慎重に検討してまいります。

 

いやいやいや、私が那須鉄株を買った日は、売買代金は2千万円台だったぞ、それで「株式の流動性は十分に確保されている」って、ぬおいっ!とツッコミを入れたくなります。

何をもって流動性が十分に確保されていると判断したのか詳細な判断基準を明示してと言いたくなります。

せめて、東証2部でそもそも注目度が低いため、投資単位を引き下げても流動性が上がる可能性は低いと予想し、また、それによって、逆に株価低迷に繋がるリスクを回避するため~などと言ってくれたら納得できます。

 

もしも、東証1部に指定替えする戦略が裏にあるなら、そのままでも良いですが、そういう裏の戦略がないのであれば、現在の板スカスカっぷりはどうかと思うため、次に、株価が高騰しそうな時などに、良いタイミングで株式分割をして欲しいです。

 

まとめ

現在の世界各国のCO2削減、クリーンエネルギー推進の目標を見ますと、新しい技術が出てこない限り、水素燃料による発電は必須になるでしょう(やっぱり、CO2削減なんて無理やったんや!宣言したこと取りやめ!と各国が言い出さない限り)。

効率的かつコストを抑えて水素を貯える技術は、水素社会実現への要となります。

その水素貯蔵技術がある那須電機鉄工は、水素社会実現へ大きく貢献する可能性を秘めています。

そして、那須電機鉄工に投資することは、水素社会、環境を配慮した社会の実現へ貢献しているとも言えます。

 

なお、私はお金が欲しいため、水素社会の実現を応援しますが、適宜、那須鉄の株を適当なタイミングで売ったり買ったりします。

「水素関連銘柄を先取りして大儲けしたぜ~、普通に考えたら、水素社会が到来するのは必然だったよね~」と自慢できる未来が来ることを願っています。

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