【感想】隷属なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働

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Amazonの書籍ランキングで「隷属なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働」というタイトルの本が上位だったため買って読みました。

著者は、オランダ出身の歴史家、ジャーナリストの「ルトガー・ブレグマン(Rutger Bregman)」です。

 

「働きたくないでござる」の想いを持っている私にとっては、ベーシックインカムを実施して欲しいと日頃から思っています。

「働きたくない」というか、世の中、無駄な労働が非常に多いと感じているので、その無駄な労働をなくせば、一人ひとりの働く時間は減少し、有意義な生産性も逆に上がるのではと考えています。

ただ、その無駄と思えることも全体で見れば、無駄ではない可能性があります。そこがわからないため、結局、資本主義が良いのか、社会主義が良いのか、なんちゃら主義が良いのかと真の答えが見つけられない状態です。

 

この本の内容を私なりの解釈で説明しますと、

ベーシックインカムの実験は過去に色々行われていたけど、“労働最高だぜ!ヒャッハー!!という思想の悪の組織”によって実験結果が捏造され、“ベーシックインカムはうんこな仕組みだった”とされていた。

しかし、実はベーシックインカムは、ホームレスを自立させたり、子どもの学力を伸ばしたりし、それにより、あらゆる国の経費が削減されるという素晴らしい結果を導いていた!

ベーシックインカム最高だぜ!ヒャッハー!!ユートピア目指そうぜ!!!

というものです。

 

本書を買う前は、どのような条件ならベーシックインカム、一日三時間労働が成立するのかが詳細に書かれていることを期待していたのですが、それについては詳しく書かれていませんでした。

「ベーシックインカムは良さそうだなぁ~」と考える人は多くいると思いますが、財源の問題などで成立するのかと疑問に思うでしょう。

そのため、そこの疑問を解消しないとなかなかベーシックインカム賛成派が出てこないのではと推測します。

 

本書では、過去のベーシックインカム関係の実験の分析結果が実は違っていたと書かれていましたが、それを読んで、「“分析結果が実は違っていた”という結果も実は違っている」という可能性もあるのではと思いました。

各思想を持っている人のポジトークであるため、誰の言葉が真実なのか全くわかりません。

そのため、自分の目で実験の生データを見ない限り、本書に書かれている実験に関しては、結果を決定することができません。

政治家を見ていると、自分が有利になる発言をする人が多いと思いますが、そんなような感じに思えました。

よって、この本の情報だけを鵜呑みにするのは危険だと考えます。

 

求めている内容は書かれていませんでしたが、良いこともちらほら書かれていたため、読んでためにはなりました。

本書の最後の方に『国際的な現象となった「負け犬の社会主義」』という項目があり、

彼らは何もかもに反対するので、誰もがこう思うはずだ。「負け犬の社会主義者」はいったい何に賛成なのだろう、と。

 

「負け犬の社会主義者」の最大の問題は、彼らが間違っているということではない。そうではなく、あまりにも覇気がないことなのだ。彼らは、語るべき物語を持たず、それを伝える言葉も持たない。

と書かれていました。

まさに、今の自民党与党のときの野党のようであると思いました。

謎の批判ばかりしており、熱弁できるような日本のための具体的な政策が見えない「語るべき物語を持たず、それを伝える言葉も持たない」そのまんまだと思いました。

前々から日本の選挙演説を聞いていても(与党も野党も)、しょうもないうわべのことばかり話して、具体的なことを全く話さないので、全く投票する気が起こりませんでした(投票には行っています)。

あえて、誰にでも理解できるうわべの話だけをしているのだろうか、それとも自分の考えが全然ないだろうかとずっと疑問に思っていました。

その私の想いを、本著者のルトガー・ブレグマンとその翻訳家が上手いこと表現してくれたので、非常にありがたいと思いました。

このように批判意見ばかり言うのではなく、このように「進歩を語る言語を取り戻すところから始めよう」と具体的に発言内容の例がいくつか書かれており、それを読むと、なるほどと納得しました。

もしこのような発言を野党のどこかの政党がしていたのならば、私はそこの政党に投票していたと思います。

 

結局、ベーシックインカムはユートピアへ導くものなのかどうかわかりませんでしたが、実験で良いので、日本も試しに数年やってくれないかなぁと思います。

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